1999年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)のポストシーズンは10月5日に開幕した。ナショナルリーグの第30回リーグチャンピオンシップシリーズ(30th National League Championship Series、以下「リーグ優勝決定戦」と表記)は、12日から19日にかけて計6試合が開催された。その結果、アトランタ・ブレーブス(東地区)がニューヨーク・メッツ(同)を4勝2敗で下し、3年ぶり17回目のリーグ優勝および9回目のワールドシリーズ進出を果たした。
両球団がポストシーズンで対戦するのは、1969年のリーグ優勝決定戦以来30年ぶり2度目。この年のレギュラーシーズンでは両球団は12試合対戦し、ブレーブスが9勝3敗と勝ち越していた。今シリーズは5試合が1点差で決着し、第5戦・第6戦はいずれも延長サヨナラゲームとなるなど、接戦続きだった。第5戦ではメッツが延長15回裏に一死満塁とし、ロビン・ベンチュラの外野フェンスを越える打球でサヨナラ勝利した。この一打はポストシーズン史上初のサヨナラ満塁本塁打になるかと思われたが、ベンチュラが一塁を回ったところでチームメイトにもみくちゃにされてベースを一周できず、記録上は単打となったため "グランドスラム・シングル" と称される。移動日を挟んで続く第6戦、今度はブレーブスが延長11回裏に一死満塁とし、アンドリュー・ジョーンズがサヨナラの押し出し四球を選んでリーグ優勝を決めた。ポストシーズンでのサヨナラ押し出し四球は史上初である。シリーズMVPには、第2戦の6回裏に勝ち越し・決勝の2点本塁打を放つなど、6試合で打率.500・2本塁打・5打点・OPS 1.424という成績を残したブレーブスのエディ・ペレスが選出された。しかしブレーブスは、ワールドシリーズではアメリカンリーグ王者ニューヨーク・ヤンキースに0勝4敗で敗れ、4年ぶり4度目の優勝を逃した。
試合結果
1999年のナショナルリーグ優勝決定戦は10月12日に開幕し、途中に移動日を挟んで8日間で6試合が行われた。日程・結果は以下の通り。
第1戦 10月12日
- ターナー・フィールド(ジョージア州アトランタ)
第2戦 10月13日
- ターナー・フィールド(ジョージア州アトランタ)
第3戦 10月15日
- シェイ・スタジアム(ニューヨーク州ニューヨーク市クイーンズ区)
第4戦 10月16日
- シェイ・スタジアム(ニューヨーク州ニューヨーク市クイーンズ区)
第5戦 10月17日
- シェイ・スタジアム(ニューヨーク州ニューヨーク市クイーンズ区)
第6戦 10月19日
- ターナー・フィールド(ジョージア州アトランタ)
評価
『ハードボール・タイムズ』のクリス・ジャフは2011年10月、歴代のポストシーズン各シリーズについて、面白さの数値化を試みた。「1点差試合は3ポイント、1-0の試合ならさらに1ポイント」「サヨナラゲームは10ポイント、サヨナラが本塁打によるものならさらに5ポイント」「7試合制のシリーズが最終戦までもつれれば15ポイント」などというように、試合経過やシリーズの展開が一定の条件を満たすのに応じてポイントを付与することで、主観的ではなく定量的な評価を行った。その結果、その年の両リーグ優勝決定戦まで全262シリーズの平均が45ポイントのところ、今シリーズは147.3ポイントを獲得し、1991年のワールドシリーズ(137.5ポイント)や1975年のワールドシリーズ(135.7ポイント)などを抑えて歴代最高となった。
脚注
注釈
出典
外部リンク
- Baseball-Reference.com(英語)
- 1999 National League Championship Series - IMDb(英語)
- 動画共有サイト "YouTube" にニューヨーク・メッツ公式アカウントが投稿した試合映像
- 第5戦:1999 NLCS - Game 5 “Grand Slam Single” FULL GAME




