飯綱高原スキー場(いいづなこうげんスキーじょう)は、長野県長野市にあったスキー場。1998年の長野オリンピックの際には、エアリアルとモーグルの競技会場となった。経営難のため2020年2月16日に営業を終了した。2020年12月からは旧スキー場の緩斜面一帯に「飯綱高原づなっち広場」が開設されている。

歴史

1965年(昭和40年)営業開始。北信五岳の一つである飯縄山の南斜面に開かれたスキー場で、長野市街地からも近く、初心者から上級者まで楽しめるバラエティに富んだコースを持つスキー場であった。

1970年(昭和45年)4月1日からは管理運営が長野市開発公社に委託された。

1998年の長野五輪では競技会場となった(フリースタイルスキーのモーグル、エアリアルの競技)。

コース

  • ゲレンデ標高1,480m~1,080m。10本のコースと7基のリフトが設置されていた(閉鎖時までに休止されていた設備もあった)。
  • 里谷多英コースと命名されたモーグルコースも備えていたが、2008年に閉鎖され、2010年には無整地バーンながら復活した。
  • なんちゃってスノーボードパークといわれる、子供でも楽しめるキッカーなどが用意されていた。

営業の終了

3万人前後の動員となり長野市は下記の理由からスキー場の今後の運営について検討を重ねた。

  • 降雪量の減少によりオープンできる日が極端に減った(地球温暖化による飯綱高原エリアの高気温化、積雪量の減少、スノーマシンの未導入など)。
  • 平成17年のいわゆる平成の合併により戸隠スキー場が長野市の市営スキー場として運営されることとなり、長野市として複数のスキー場を運営することとなり市の負担が増えた。
  • 飯綱エリアには飯綱高原スキー場のほかに前述の戸隠スキー場、隣の飯綱町にいいづなリゾートスキー場とスキー場が複数あり、そちらを選択するスキーヤーが増えた。

これらの相乗的な理由により飯綱高原スキー場は慢性的な赤字経営で毎年長野市が1億前後の補填をしている状態となっていた。 そこで長野市は平成30年に飯綱高原スキー場について下記の決定をした。

  • 長野市の市営としてのスキー場の運営は2019-2020シーズンで終了する。
  • 飯綱高原スキー場はプロポーザル公募によってで民営企業に譲渡する(条件として10年は存続させること、年間230万の土地代を負担すること)。売却額は0円で期限は2019年12月末。
  • 譲渡先が見つからない場合はスキー場は閉鎖、植林をして国有林に戻し、飯綱高原エリアはスキー場の「冬主体」から、キャンプ場の「夏主体」とした再開発を行う。

2019年、赤字経営が続く中で民間の事業者に譲渡することを決め、公募を開始するも応募者がなく、2020年をもって営業を終了することとなった。

跡地の利用

2020年12月26日、地元有志によって旧スキー場のそりコースや初心者向けコースの下方の緩斜面一帯に雪遊びのための「飯綱高原づなっち広場」が開設された。ボランティアによる運営で、長野市から土地の使用許可と市有トイレの貸与を受けている。入場は無料でそりなどは有料の貸し出しを行っている。

アクセス

  • 上信越自動車道:須坂長野東IC、長野IC
  • 東日本旅客鉄道:北陸新幹線、信越本線長野駅(バス)
  • 長野市内から長野オリンピック時に整理された浅川ループラインを使い約25分。

脚注

関連項目

  • 日本のスキー場一覧
  • いいづなリゾートスキー場
  • 飯縄山
  • 飯綱高原

外部リンク

  • 飯綱高原スキー場 - ウェイバックマシン(2020年3月16日アーカイブ分)

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