セコバルビタール(Secobarbital)は、短時間作用型のバルビツール酸誘導体で、1934年にアメリカ合衆国で特許が取得され販売されている。麻酔作用、抗痙攣作用、抗不安作用、鎮静作用、催眠作用を有する。イギリスでは、キナルバルビトン(Quinalbarbitone)として知られていた。米国内の医師幇助自殺で最も頻繁に使用されている薬物である。睡眠薬としては時代遅れのものと見做されており、大部分の用途はベンゾジアゼピン系薬剤に置き換えられている。

効能・効果

日本

  • 不眠症
  • 麻酔前投薬
  • 全身麻酔の導入
  • 不安緊張状態の鎮静

海外

  • てんかんの治療
  • 不眠症の一時的な治療
  • 痛みの少ない短時間の手術、診断または治療における、麻酔および抗不安を齎す術前投薬

禁忌

次の患者には禁忌である。

  • バルビツール酸系化合物に対し過敏症の患者
  • 急性間歇性ポルフィリン症の患者

原則禁忌

  • 心障害を有する患者
  • 肝障害または腎障害を有する患者
  • 呼吸機能の低下している患者
  • 薬物過敏症の患者

副作用

重大な副作用として、

  • 皮膚粘膜眼症候群
  • チアノーゼ、呼吸抑制
  • 薬物依存

が挙げられている。その他、0.1%以上の患者に、発疹等の過敏症、悪心・嘔吐 、眠気、頭重感、めまい、脈拍異常、興奮、腱反射亢進、痙攣、口渇が現れる。

離脱症状

心理的な中毒を引き起こす可能性があり、長期間使用時に身体的な依存を生じる。離脱症状には以下のものがある。

  • 不安
  • 不眠症
  • 食欲不振
  • 痙攣発作
  • 振戦
  • 禁断症状による死亡の可能性

安楽死への利用

オランダでは安楽死手段の一つ(ペントバルビタールまたはセコバルビタール15gを含む濃縮シロップ100mlの経口摂取)として用いられているが、近年はこの手段を選択した人は15%に過ぎず、残りは医師による別の薬物の静脈内投与を選択している。

米国では、1998年からオレゴン州、2008年からワシントン州、2013年からバーモント州の医師による死への幇助に関する法律の下で、セコバルビタールとペントバルビタールが最もよく処方される薬物となっている。

2017年からはカナダでも医師幇助自殺に使用される。

馬や牛の安楽死にも使用される。

LD50は125mg/kg(ラット、経口)、267mg/kg(マウス、経口)と報告されている。

参考資料

外部リンク

  • Marathon Pharmaceuticals - Seconal Full prescribing information for the United States.
  • Drugs.com - Secobarbital
  • RxList.com - Secobarbital Consumer information.

グラフで見る! アロバルビタール、アモバルビタール、バルビタール、ブタルビタール、ブトバルビタール、シクロバルビタール、メチル

薬価吊り上げスキャンダルのValeant社、CA州のPAS合法化を前にセコバルビタールの価格を倍に 海やアシュリーのいる風景

グラフで見る! アロバルビタール、アモバルビタール、バルビタール、ブタルビタール、ブトバルビタール、シクロバルビタール、メチル

セコナールナトリウム(セコバルビタール)の副作用、相互作用、用途、薬物の刷り込み 健康 2025

動物病院向け オーラルケア製品 「PETKISS(ペットキッス) ベッツドクタースペック」シリーズ 「オーラルケア・サプリメント お口の健康